真長寺(岐阜市)概要: 三輪山真長寺は岐阜県岐阜市三輪に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。真長寺の創建は仁寿元年(851)、奈良時代の高僧として知られた行基菩薩が開山したのが始まりと伝えられています(通説では行基菩薩の没年が天平21年:749年である事から真長寺の開山した年には死没していた事になります)。
一方、天喜3年(1055)に開山したの伝承が残り、本尊である釈迦如来坐像の制作年も平安時代(藤原時代)と推定されています。
その後、三輪神社の別当寺院として洞泉山を号し、天文4年(1535)、吽阿上人が再興し山号も三輪山に改められました。中世は当地の領主だた三輪氏から庇護され、最盛期には12坊(大坊・坂本坊・淨法坊・実蔵坊・東光坊・寳泉坊・新坊・真如坊・妙光坊・池之坊・西之坊・下之坊)を擁する大寺院として発展しました。
永禄元年(1558)、火災により真長寺は焼失しましたが再建後は織田信長に庇護されたことで寺運が隆盛し、江戸時代も幕府から朱印地17石7斗が安堵されています。
真長寺本尊の釈迦如来坐像は、藤原時代に製作されたもので桂材、寄木造、漆箔像、像高2.82m、光背3.21m、台座84.8cm、大正4年(1915)に国指定重要文化財に指定されています。絹本著色涅槃図は室町時代初期に描かれたもので、縦173cm、横162.5cm、兆殿司様式。絹本著色文殊菩薩像は鎌倉時代末期に描かれたもので、縦90.5cm、横52cm。何れも岐阜県指定文化財に指定されています。
真長寺庭園は江戸時代初期に作庭されたもので、枯山水石庭であるものの、前面が杉苔で覆われ静寂で独特な世界観が現わされています。真長寺庭園は貴重な事から岐阜市指定名勝に指定されています。山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、薬医門、木部朱塗り。山号:三輪山。宗派:高野山真言宗。本尊:釈迦如来。
真長寺の文化財
・ 木造釈迦如来坐像−平安時代−国指定重要文化財
・ 絹本著色涅槃図−室町時代−岐阜県指定重要文化財
・ 絹本著色文殊菩薩像−室町時代−岐阜県指定重要文化財
・ 絹本著色五大尊像−岐阜市指定重要文化財
・ 絹本著色釈迦十六善神像−岐阜市指定重要文化財
・ 真長寺の石庭−江戸時代初期−岐阜市指定名勝
真長寺:上空画像
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