大黒屋(尾張藩本陣)概要: 細久手宿(瑞浪市)には元々本陣、脇本陣が1軒づつありましたが、中山道は参勤交代で利用する大名が多かった事から、尾張徳川家(尾洲家)は新たに問屋役だった酒井吉右衛門宅(屋号:大黒屋)を本陣と定めました。
現在の建物は安政5年(1858)の大火後に再建されたもので木造2階建、切妻、平入、桟瓦葺、桁行7間、梁間9間、建築面積240u、外壁は真壁造り黒漆喰仕上げ(卯建は白漆喰)、腰壁は下見板張り縦押縁押え、1、2階共に格子戸、屋根両脇には卯建が高く掲げられ、式台付の玄関や上段の間、奥座敷など本陣としての格式が感じられる意匠となっています。
大黒屋は式台付きの玄関を通ると畳敷きの寄付、次の間、座敷と一直線で繋がり、奥の部屋へ行く毎に床の高さが高くなり身分によって使い分けられていた事が分かり、向って右側は土間でその上部は吹き抜けになっています。2階に上がる階段も吹き抜けで廊下は吹き抜けを回るように回廊風で2階の座敷は茶室と続き間となり床の間や棚などが設置されています。
大黒屋は江戸時代の旅籠建築の遺構で、さらに年代が明確なことから貴重な存在とされ、さらに「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との登録基準を満たしている事から平成19年(2007)に国登録有形文化財に登録されています。
大黒屋:上空画像
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