専明寺(養老町)概要: 勢至山専明寺は岐阜県養老郡養老町鷲巣に境内を構えています。専明寺の創建は不詳ですが、古くは勢至村に境内を構え勢至山光堂寺と号する天台宗の寺院でした。室町時代の寛正5年(1464)に真言宗のに改め、往時は多芸七坊(養老山地から南宮山に境内を構えた大規模中世山岳寺院:別所寺・竜泉寺・光堂寺・柏尾寺・養老寺・光明寺・藤内寺)の一翼を担っていましたが、その後衰退し、江戸時代初期の寛永年間(1624〜1645年)に現在地に境内を遷しました。
明治5年(1872)に学制発布に伴い、明治6年(1873)に鷲ノ巣村の龍門義校が専明寺に開校しています。専明寺の寺宝である証如上人御影は室町時代に描かれたもので、画像には本願寺釋証如花押の裏書と、平尾願証寺真教の極め書がある事から、当時の専明寺(光堂寺)の住職が天文元年(1532)の山科本願寺の戦い、又は天文2年(1533)の石山本願寺の戦いに参画し賜ったものと推察されます。
同じく専明寺の寺宝である鎧下名号は天正年間(1573〜1593年)に織田信長と本願寺が対立した際、本願寺の呼びかけにより一揆に参加する信者に配られたもので宗祖である親鸞聖人御流罪の折書きがしたためられています。証如上人御影と鎧下名号は昭和55年(1980)に養老町指定文化財に指定されています。宗派:真宗大谷派。本尊:阿弥陀如来。
専明寺:上空画像
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