八幡神社(土岐市)概要: 八幡神社は岐阜県土岐市妻木町に鎮座している神社です。八幡神社の創建は諸説あり、元応元年(1319)に当時の美濃国守護職土岐頼貞が氏神として勧請したとも、暦応2年(1339)、土岐頼重(頼貞の孫:明智氏の祖:妻木氏の祖)が妻木城築城の際、城の鎮守社として勧請したとも伝えられています。
以来、歴代妻木城主から崇敬され、社領の寄進や社殿の造営などが行われています。特に、文安元年(1444)、慶長10年(1605)に社殿が再建され、慶長14年(1610)には妻木頼久が絵馬を奉納、旗本になった妻木家頼は社領49石を寄進しています。
江戸時代初期の万治元年(1658)、妻木頼次は跡継ぎがいなく死去したことで妻木家が断絶すると庇護者を失いますが、以後は周辺集落の産土神として維持管理されるようになり元禄2年(1689)には社殿が再建されています。古くから神仏習合し、別当には円光山大鏡寺八幡院があたっていましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、八幡院も廃寺となり神社として独立し明治6年(1873)に郷社に列し、昭和17年(1942)に県社に列しています。
毎年10月第2日曜日の八幡神社例祭に奉納される流鏑馬神事は、江戸時代初期の元和9年(1623)に妻木城主である妻木家頼が武運長久を祈願した際、馬1頭を奉納した事が始まりとされ、古式を伝える貴重な神事として貴重な事から名称「八幡神社の流鏑馬」として昭和31年(1956)に土岐市指定無形民俗文化財に指定されています。
社宝である絵馬一対は江戸時代初期の慶長14年(1609)に妻木佐太郎頼久が八幡神社に奉納したもので、馬を各1頭づつ対照的に描き、両方共寸法は縦58cm、横86cm、昭和35年(1960)に岐阜県指定重要文化財に指定されています。本殿は元禄2年(1689)に再建されたもので、一間社流造、檜皮葺き、昭和51年(1976)に土岐市指定文化財に指定されています。祭神:誉田別命。
八幡神社の文化財
・ 絵馬(一対)−慶長14年−岐阜県指定重要文化財
・ 八幡神社本殿−元禄2年−一間社流造−土岐市指定文化財
・ 八幡神社棟札−文安元年(最古)−土岐市指定文化財
・ 八角経筒−正保3年−加藤伊兵衛尉奉納−土岐市指定文化財
・ 絵馬(枯木に鷹)-正保3年-加藤伊兵衛尉奉納-土岐市指定文化財
・ 湯立面(一対)-正保5年-加藤太郎左衛門景重奉納-土岐市指定文化財
・ 刀剣(朝露)-明暦3年-紀州妻木嘉左衛門奉納-土岐市指定文化財
・ 刀剣(友成)−元文3年−土岐市指定文化財
・ 古文書、検地帳(13点)−土岐市指定文化財
・ 流鏑馬神事−江戸時代初期以降−土岐市指定無形民俗文化財
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