傘岩(恵那市)概要: 傘岩は恵那峡(恵那峡県立自然公園)の外れに位置し、黒雲母花崗岩によって形成された丘陵が風化や風食によって傘の形状に形作っています(別説としては木曽川の水位が笠岩の位置まであったとも?)。当時は遠方からでも見る事が出来、旅人の目印にもなるなど恵那峡の象徴的な存在でした。苗木花崗岩は通常、同じような細かな祖粒が密着して出来た岩石で、そこに何らかな力が働いて膨張や収縮を繰り返す事で、その祖粒単位で剥離される現象を「マサ化」、祖粒を「マサ(真砂)」と呼んでいます。特に岐阜県では木曽川によって侵食された事で花崗岩が地表に現し、風化や風食によって「マサ化」現象が発現し千畳敷岩・品の字岩・ふな岩など奇岩や巨岩が随所に見られる独特な景観が造り出されました。
傘岩は高さ4.3m、先端上部の周囲は10.2m、中央の細くくびれた部分の周囲は2.3m、基礎部分の周囲は5.1m、形状は逆円錐形(扇子を半分広げた形状、茸の笠のような形状)、黒雲母花崗岩で岩石の風化現象を示す自然の標本として全国に類例のない珍しいものとして大変貴重な事から昭和9年(1934)1月22日に国指定天然記念物に指定されています。
今にも倒れそうなかなりアンバランスな形状をしています。個人的には傘というよりはキノコのような印象を受けます。周辺は危険回避と保存の為、鉄柵で囲われ景観的にはやや残念ですが仕方がないのかもしれません。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-恵那市・恵那峡観光協会
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