日吉神社上宮(神戸町)概要: 日吉神社(上宮)は岐阜県安八郡神戸町大字神戸に鎮座している神社です。日吉神社の創建は弘仁8年(817)、当時の領主安八太夫安次が娘である夜叉姫の病気を祈祷で平癒させた最澄(平安時代の高僧、天台宗の開祖)に帰依し寺院(神護寺善学院)を建立した際、最澄の霊夢に山王権現が立った為、日吉大社(滋賀県大津市坂本)の分霊(日吉大社に祭られていた7柱の内の4柱)を勧請し鎮守社として祀ったのが始まりとされます。
貞観3年(861)、慈覚大師円仁が当社を参拝で訪れた際、残った日吉大社の分霊の3柱を勧請し、信仰が確立しました。その後は歴代領主が帰依し、室町時代後期には斎藤伊豆守利継が三重塔を造営し、天正13年(1587)には稲葉一鉄が三重塔を修復、寛永7年(1630)には尾張藩初代徳川義直が本殿の造営を行っています。
日吉神社は古くから神仏習合し、別当は神護寺(善学院)が勤め最盛期には社僧8坊を擁していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令で神社として独立し、大正2年(1913)に県社に列し、戦後は金幣社に指定されています。現在でも日吉神社の境内には三重塔や釘貫門、社宝には多くの仏像を有し神仏習合の名残が数多く見られます。祭神:大山咋神、大貴己神。
現在の日吉神社三重塔は永正年間(1504〜1520年)に斉藤利網(春日局の父の叔父)が再建し、天正13年(1585)に稲葉一鉄(春日局の叔父)が改修したもので、三間塔婆、宝形屋根、檜皮葺、高さ(相輪頂上まで)24.6m、室町時代後期の三重塔の遺構として大変貴重な事から昭和32年(1957)に国指定重要文化財に指定されています。
日吉神社本殿は寛永7年(1630)に尾張大納言が再建したもので三間社流造、檜皮葺、正面1間向拝付、桁行3間、梁間2間、江戸時代初期に建てられた神社本殿建築の遺構として貴重な事から昭和33年(1958)に岐阜県指定有形文化財に指定されています。その他にも、十一面観世音菩薩像(制作年:藤原時代、像高27cm、極彩色)、十一面観世音菩薩像(制作年:藤原時代、像高22m、極彩色、一木造)、地蔵菩薩像(像高34.7cm、極彩色)、狛犬一対(天正5年:1577年、西保城主不破河内守光治寄進、笏谷石製、像高74cm)が国指定重要文化財に指定されています。
日吉神社(上宮)の文化財
・ 三重塔−永正年間−国指定重要文化財
・ 十一面観世音菩薩(2躰)−藤原時代−国指定重要文化財
・ 木造地蔵菩薩坐像(おもかる地蔵)−国指定重要文化財
・ 石造狛犬(不破河内守 寄進)−天正5年−国指定重要文化財
・ 日吉神社(上宮)本殿−寛永7年−岐阜県指定重要文化財
・ 日吉神社神輿及び百八燈明台−岐阜県指定重要有形民俗文化財
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