清水屋(馬籠宿)概要: 原家は屋号を「清水屋」と称し、馬籠宿の組頭などの役人を歴任した家柄です。馬籠宿本陣を勤めていた島崎家とも関係が深く島崎藤村の小説「嵐」に登場する「森さん」は原家8代目一平氏がモデルになったとも言われ、藤村が馬籠に戻った長男である楠雄を清水屋に託した事から数多くの藤村縁の品々を所有しています。
現在の清水屋主屋は明治28年(1895)の馬籠大火で焼失後に建てられたもので木造2階建、切妻、桟瓦葺、平入、桁行13.9m、建築面積182u、正面下屋庇、格子戸、外壁正面は真壁造り、白漆喰仕上げ、腰壁とその他の面は下見板張縦押縁押え、2階正面外壁両側に袖ウダツ、大正4年(1915)の大火を逃れた数少ない建物の1つです。土蔵も同時期に建設された建物で、土造2階建、切妻、桟瓦葺、桁行5.5m、梁間4.5m、建築面積30u。
清水屋主屋・土蔵は明治時代に建てられた大型町屋建築の遺構として貴重な存在で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との登録基準を満たしている事から平成25年(2013)に国登録有形文化財に登録されています。現在は清水屋資料館として一般公開され、内部には藤村の書簡や掛け軸、写真、覚書、原家に伝わる古文書などが展示されています。
清水屋:上空画像
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