医王寺(山中薬師)概要: 医王寺の創建は不詳ですが、本尊の薬師如来像 が行基菩薩が自ら彫り込んだと伝えられることから、奈良時代に行基巡錫で当地を訪れた際、開かれたとも云われています。その後、天台宗の寺院として寺運が隆盛しますが、戦国時代の兵火により焼失し衰退します。天文13年(1544)に正誉存徹が再興し、その際、浄土宗に改宗しています。本尊の薬師如来像(山中薬師)はが三河の鳳来寺、御嵩の願興寺(蟹薬師)と共に日本三大薬師(諸説あり自称日本三大薬師は全国で複数存在します。)の1つに数えられ、特に虫封じに御利益があるとして広く信仰を広めました。又、江戸時代から刀傷に効目があるとして多くの旅人が求めた「狐膏薬」の販売元でもあり、十返舎一九によって記された「木曽街道続膝栗毛六編」にもその様子が描かれています。伝承によると当時の医王寺の住職(ズイトンさん)が傷ついた狐を助けると、ある晩その狐が尋ねてきて霊薬の造り方を教えたとも、本陣である井口家に泊まったある旅人の霊夢に秋葉大明神の化身が立ち薬の造り方を教わったとも伝えられています。境内にある芭蕉句碑は「梅が香に のっと日の出る 山路かな」が刻まれています。
|