安養寺(郡上市)概要: 遠郷山安養寺は岐阜県郡上郡八幡町柳町に境内を構えている浄土真宗大谷派の寺院です。安養寺の創建は康元元年(1256)、西信(親鸞聖人の直弟:佐々木高綱の3男)が開山したのが始まりと伝えられています。
当初は江州(現在の滋賀県)蒲生郡にあり安要寺と称していましたが、6世仲淳の時代に岐阜県安八郡に移り、蓮如上人から現在の寺号である安養寺を賜っています。中世の安養寺は寺運が隆盛したことで大きな影響力があり10世乗了は石山合戦などを歴戦し、戦国大名の武田信玄や朝倉義景、織田信長などの書状を所持しています。
その後、越前国穴馬(現在の福井県大野市)に境内を構えましたが、天文5年(1536)には美濃国大島村野里(現在の郡上市白鳥町)に境内を移し天正6年(1588)、又は江戸時代に入り、井上正任が笠間藩(現在の茨城県笠間市)から郡上藩(藩庁:郡上八幡城)移封と時を同じにして八幡中坪村園野に移りました。
その後、火災により安養寺が大きな被害を受けると明治14年(1881)に郡上八幡城の3の丸にあたる現在地に移転しました。山号:遠郷山。宗派:浄土真宗大谷派。本尊:阿弥陀如来。
安養寺は寺宝も多く十五尊像絵像(制作年:室町時代初期、縦155cm、横38cm、源空、恵心、聖覚、親鸞、如信、信空、西信、乗信、聖徳太子、小野妹子、蘇我馬子、日羅、学可、阿佐太子、恵雲、以上15名が描かれています)、親鸞上人御影(制作年:明応2年1493年、縦110cm、横52cm、実如自筆の墨書銘と裏書)、蓮如名号4幅(楷書十字名号:縦100cm、横36cm・楷書六字名号:縦103cm、横42cm・草書六字名号:縦102cm、横41cm・草書六字名号:縦102cm、横41cm)が岐阜県指定重要文化財に指定されています。
絹本著色阿弥陀如来像2幅(制作年:明応2年1493年、縦101cm、横41cm)、石山合戦関係文書及び安養寺文書(古文書48通)、金森内室化粧道具(鏡2面・すき櫛2丁・白粉刷毛大2本、小1本・紅刷毛大3本、小1本など)、紙本墨書本願相応集(建長7年1255年に阿弥陀仏書写本を親鸞が写したものをさらに書写したもので)、木製香炉台(制作年:天文11年1583年、郡上中津屋出身の古賀八郎兵衛作、塗:鷲見久五助、直径23.0cm、高さ14.0cm)が岐阜県指定重要文化財に指定されています。
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安養寺:上空画像
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