円通寺(大垣市)概要: 旭光山円通寺は岐阜県大垣市西外側町1丁目に境内を構えている浄土宗の寺院です。円通寺は戸田家歴代の菩提寺として慶長6年(1601)、戸田氏鉄により開かれました。
当初は近江膳所ケ崎に境内を構えましたが、大坂の陣の功により元和3年(1617)、氏鉄が尼崎藩5万石で移封になると尼崎に移り、さらに寛永10年(1624)の大坂城修築や島原の乱などの功を重ね寛永12年(1635)に大垣藩10万石で移封になると尼崎円通寺の三世専誉上人を招き大垣でも円通寺を創建しました。
円通寺は寺領200石が安堵されるなど歴代藩主から庇護され、領内の寺院の中でも中心的な役割を担うなど寺運が隆盛しました。昭和20年(1945)の太平洋戦争の空襲により山門以外の堂宇が焼失し荒廃しましたが、その後再建されています。本堂背後の戸田家歴代廟所も被災しましたが、昭和38年(1963)に大垣市45周を機に復旧され昭和39年(1964)には江戸戸沢家菩提寺である蓮光寺(東京)から9代氏正公、11代氏共公の墓が移され、岐阜県指定史跡に指定されています。
現在の円通寺山門は江戸時代後期の天保年間(1830〜1844年)に再建されたもので入母屋、本瓦葺、唐破風、鯱付、組物や彫刻なども格式が高く貴重な事から平成22年(2010)に大垣市指定重要文化財に指定されています。寺宝も多く戸田氏庸作龍之画と大垣藩主歴代肖像画昭和44年(1969)に大垣市指定文化財に指定されています。
境内の芭蕉句碑は平成3年(1991)に大垣麗水社中により建立されたもので、元禄2年(1689)、松尾芭蕉が奥の細道で大垣を訪れた際、大垣藩家老戸田権太夫の下屋敷で詠んだ「こもり居て木の実草の実拾ははや」が刻まれています(美濃派獅子門道統第三十九世国島十雨宗匠筆)。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
円通寺の文化財
・ 戸田家廟所−江戸時代−岐阜県指定史跡
・ 円通寺山門−天保年間−大垣市指定重要文化財
・ 戸田氏庸 龍之画−江戸時代−大垣市指定重要文化財
・ 大垣藩主歴代肖像画−江戸時代−大垣市指定重要文化財
円通寺:上空画像
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