春日神社(関市)概要: 春日神社は岐阜県関市南春日町に鎮座している神社です。春日神社の創建は鎌倉時代の正応元年(1288)、当時の関鍛冶総代であった金重と兼永が春日大社(奈良県奈良市春日野町)の分霊を勧請したのが始まりと伝えられています。
以来、関鍛冶の守護神として広く信仰され、永享5年(1433)には初代孫六兼幸が願主となり社殿の再建が行われ、寛文5年(1665)には関藩初代藩主大島雲八(大島光義)が能舞台を再建しています(ただし、大島雲八は慶長9年1604年、享年97歳で死没している為、詳細は不詳)。
明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治6年(1873)に郷社に列しています。現在でも関鍛冶のみならず金属関係者からも信仰されています。
春日神社の社宝である能装束類は室町時代末期から桃山時代に製作されたもので63点(能用の摺箔(1領)・縫箔(8領)・狩衣(7領)・法被(3領)・側次(5領)・角帽子(3領)・直垂(6組)・素襖(3組)・袴(3領)など)が昭和31年(1956)に国指定重要文化財に指定されています。
同じく例祭で奉納される神奉能に使用される能狂言面(制作年:室町時代、53面、附:古楽面8面)が平成22年(2010)に国指定重要文化財に指定されています。
毎年4月第3日曜日に行われる春日神社の例祭で奉納される「どうじゃこう」は除災招福・豊年万作を祈る天文6年(1537)以前から行われてきた中世的神事芸能で、神事の内容が「西浦の田楽(静岡県浜松市天竜区水窪町)」と「雪祭り(長野県下伊那郡阿南町新野)」合わせて3例しかない重要な事例である事から平成22年(2010)に岐阜県指定無形民俗文化財に指定されています。
春日神社の社宝である刀(銘兼常)は安土桃山時代に制作されたもので、長さ70.1cm、反り2.0cm、目くぎ穴1個、昭和55年(1980)に岐阜県指定文化財に指定されています。
能舞台は寛文5年(1665)、棟梁大島雲八が寄進し建てられたものが昭和34年(1959)に伊勢湾台風で倒壊し、旧態に復したもので、木造平屋建て、切妻、銅板葺き、下屋庇付き、外壁は柱のみの吹き放し(四本柱建能舞台)、江戸時代初期の舞台建築の遺構として貴重な事から昭和43年(1968)に関市指定重要文化財に指定されています。祭神:天児屋根命。
関市:神社・仏閣・再生リスト
春日神社:上空画像
|