飯高観音(萬勝寺)概要: 飯高観音(萬勝寺)は岐阜県恵那市山岡町馬場山田に境内を構えている臨済宗妙心寺派の寺院です。萬勝寺の創建は不詳ですが平安時代初期に開山されたのが始まりとされます。
日本三大観音の1つで、本尊千手観音菩薩は比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本)2世慈覚大師円仁が自ら彫り込んだものと伝えられています。ただし、一般的に日本三大観音とは浅草観音(東京都台東区 金龍山浅草寺)、大須観音(愛知県名古屋市中区 北野山真福寺)、津観音(三重県津市 恵日山観音寺)とされます。
その後は寺運も隆盛し境内には七堂伽藍が建ち並び、最盛期には麓に12坊、寺領385石を領し、本堂は桁行12間、梁間12間の壮大な建物だったそうです。
元亀2年(1571)、武田信玄の美濃侵攻の兵火により多くの堂宇、寺宝、記録などが焼失し衰退しましたが、天正8年(1580)に領主である明智遠山家の一族である遠山利景が住職になると遠山家の庇護もあり再興し元和元年(1615)には概ね境内が整備されました。岐阜県東濃地方では屈指の初詣寺院として知られ、厄除けや災難除け、安産の守護としても広く信仰されています。
境内には岩村藩主松平乗棄が宝永年間(1704〜1710年)に岩村城の場内に建てたと伝わる茶室「月」が移築されています。
又、「機子ヶ池」には次ぎのような伝説が伝えられています。昔、機織がとても上手く美しい娘が、鷹狩りで当地を訪れた殿様が見初められ、側室に迎えようとしました。娘は固く固辞した為、殿様は面目を潰され、一族に重罪を科すと命じた事で娘は思い余って「機子ヶ池」に身を投げた云われています。
飯高観音堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、妻入、間口7間、正面1間唐破風向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、向拝懸魚には天女、欄間部には龍、木鼻には獅子の彫刻が施されています。境内一帯は貴重な事から恵那市指定名勝に指定されています。東海白寿三十三観音霊場(東海地方にあるぼけ封じのご利益がある寺院)第25番札所。宗派:臨済宗妙心寺派。札所本尊:千手観世音菩薩。
飯高観音(萬勝寺):上空画像
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