慈恩寺(岐阜市溝口中)概要: 玉保山慈恩寺は岐阜県岐阜市溝口中に境内を構えている西山浄土宗の寺院です。慈恩寺の創建は建久6年(1195)、山県国盛、国成兄弟が父親である落合三郎国時の十三回忌に慈源大僧正(比叡山延暦寺、第77、79世天台宗座主、摂政関白九条道家子)を招き開山したのが始まりと伝えられています。
その後、兵火により多くの堂宇、記録、寺宝が焼失し衰退しますが文和元年(1352)、智通大師(立教寺開祖)が後亀山天皇の勅命により再興しています。
慈恩寺の寺宝である木造千手観音坐像は10世紀(平安時代後期)に制作されたと推定されるもので桧材、一木造、漆箔像、像高103.3cm、清水寺(京都府京都市)の本尊と同じ形式なことから清水式観音と呼ばれています。
伝承では最澄(平安時代の高僧、日本天台宗の開祖)が彫り込んだものとされ元々は津保満願寺にありましたが、文明年間(1469〜1487年)慈恩寺に安置されていた恵心(平安時代中期の天台宗の高僧、七高僧の第六祖)作の阿弥陀如来像と交換したそうです。木造千手観音像は大変貴重な事から大正3年(1914)に国指定重要文化財に指定されています(現在は秘仏で8月9・10日にのみ御開帳となっています)。
慈恩寺山門は切妻、桟瓦葺、一間一戸、四脚鐘楼門、上層部鐘撞堂、高欄付き。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺、平入、桁行6間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。山号:玉保山。宗派:西山浄土宗。本尊:千手観音坐像。
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