正法寺(岐阜市)概要: 金凰山正法寺は岐阜県岐阜市大仏町に境内を構えている黄檗宗の寺院です。 正法寺の創建は南北朝時代の観応年間(1350〜1352年)、当時の美濃守護職土岐頼康が開いたのが始まりとされ、室町時代には多くの文化人などが当地を訪れ寺運が隆盛しましたが、明応4年(1495)と永禄4年(1561)の兵火により大きな被害を受けて廃寺に追い込まれています。天和3年(1683)、前述の正法寺との関係性は不詳ですが当地に廣音和尚が草庵を結び、元禄5年(1692)に千呆和尚が黄檗宗の寺院として開山し境内が整備されます。
11世推中和尚は頻発した地震や飢饉の被害者を供養する為、奈良の大仏を模した大釈迦如来像を計画、周辺各国から浄財を集め尽力を尽くしましたが完成前の文化12年(1815)に没しました。12世肯宗和尚も跡を継ぎ天保3年(1832)にようやく完成、開眼供養の際には多くの参拝者が訪れ盛大だったと伝えられています。
大釈迦如来像は日本最大の乾漆仏と言われ像高13.7m、顔の長さ3.63m、目の長さ0.66m、耳の長さ2.12m、口幅1.31m、鼻の高さ0.36m、胎内には慈覚大師が彫り込んだと伝えられる薬師如来像が安置されています。大釈迦如来像(籠大仏)は岐阜大仏の別称があり自称日本三大大仏の1つに数えられ岐阜県指定重要文化財に指定されています。
黄檗宗の教えを伝える正法寺の大仏殿
正法寺大仏殿(本堂)は大仏(大釈迦如来像)と同時期に造営されたもので、木造三層、宝形屋根、桟瓦葺き、梁間18.6m、桁行18.9m、高さ20.5m、正面1間向拝付き、正面2層目の屋根には籠大仏の御顔が拝め、建物の正面性を演出する為に扉付の軒唐破風が設えられ、内部は大仏が安置出来るように吹き抜けで、2層目は回廊になっています。
正法寺大仏殿は江戸時代後期の御堂建築の遺構として貴重な事から平成27年(2015)に岐阜市指定重要文化財(建造物)に指定されています。
正法寺は寺宝が多く木造阿弥陀如来坐像は平安時代(藤原時代)に中央仏師が制作したと推定される仏像で、桧材、一木造、彫眼、像高55.0cm、膝張40.0cm、貴重な事から昭和49年(1974)に岐阜県指定重要文化財に指定されています。山号:金凰山。宗派:黄檗宗。本尊:釈迦如来。
正法寺:周辺駐車場マップ
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