荏名神社(高山市)概要: 荏名神社は岐阜県高山市江名子町に鎮座している神社です。荏名神社の創建は不詳ですが、文徳天皇実録によると仁寿元年(851)正六位上、三代実録によると貞観9年(867)従五位上に列し、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内社(飛騨国8座)として記載されています。神仏習合後は稲置森子安大明神と称し、安産や子守に御利益があるとして祭祀されましたがその後、衰退し荒廃しました。
江戸時代後期の文化12年(1815)、国学者田中大秀によって再興され、文政元年(1818)には社殿が再建されています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治4年(1871)に郷社に列し、明治40年(1907)に神饌幣帛料供進社に指定されています。
荏野文庫土蔵は弘化2年(1845)に建立されたもので、土蔵2階建、桁行3.47m、梁間3.47m、金属板葺、切妻、正面中央には丸窓、その上には「荏野文庫」の扁額が掲げられています。荏野文庫土蔵は江戸時代後期の土蔵造りの文庫建築の遺構として貴重な事から昭和31年(1956)に岐阜県指定重要文化財に指定されています(※所蔵していた519部、1516冊、7函も貴重な事から高山市指定文化財に指定されています。現在は高山市郷土館が所蔵、保存されています)。
荏名神社神橋は江戸時代後期の天保15年(1844)に奉納されたもので長さ4.3m、幅2.05m、当時の石造撥橋の遺構として貴重な事から田中大秀筆設計図(荏名神社大前石御橋勧進記・荏名神社大前石御橋之図)と共に昭和59年(1984)に高山市指定文化財に指定されています。荏名神社拝殿は木造平屋建て、切妻、銅板葺き、平入、桁行3間、張間4間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、腰壁は縦板張り。本殿は覆い屋内部の為に不詳。祭神:高皇産霊神。
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荏名神社:上空画像
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