法華寺(高山市)概要: 常栄山法華寺は岐阜県高山市天性寺町に境内を構えている法華宗陣門流の寺院です。法華寺は永禄元年(1558)、扇聖人(本成寺11世:新潟県三条市)が飛騨国に法華宗寺院が無い事を憂い高弟日嚢和尚を派遣して創建されました。寛永9年(1632)、熊本藩2代藩主加藤忠広(加藤清正の3男)は母子を無断で国許に帰した事、嫡男加藤光正の不届きなど21ヶ条の詰問状が送りつけられ改易となり忠広は熊本藩52万石から出羽丸岡城1万石(山形県鶴岡市、事実上庄内藩酒井家預かりで1代限り1万石が認められた)に移封となり、光正は高山藩3代藩主金森重頼預かりとなりました。
光正は高山城の城下にある天性寺(現在の天照寺)に軟禁されましたが寛永10年(1633)死去、享年19歳、自刃説、毒殺説など諸説あり不詳。金森重頼は光正の菩提を弔う為、加藤家が信仰していた法華宗の寺院である法華寺の境内に埋葬し菩提寺としました。
現在の法華寺本堂は高山城の建物の一部を移築して改修したもので入母屋、銅板葺、平入、桁行8間、書院造、内部に設置されている須弥壇は彫刻は工匠松田太右衛門、塗師は藤田宇兵衛が手掛けました。法華寺本堂は江戸時代初期の寺院本堂建築の遺構で桃山文化を継承した貴重なものとして昭和45年(1970)に岐阜県指定有形文化財に指定されています。
法華寺番神堂は入母屋、妻入、桁行3間、梁間2間、正面1間軒唐破風向拝付、内部には奥行1間五連厨子が設置、江戸時代後期の御堂建築の遺構として貴重な事から平成12年(2000)に高山市指定文化財に指定されています。寺宝は加藤光正縁の品々が多く、境内には光正の墓が建立されています。宗派:法華宗陣門流。本尊:十界曼荼羅。
法華寺の文化財
・ 法華寺本堂−江戸時代前期−岐阜県指定重要文化財
・ 加藤光正の遺品−江戸時代初期−岐阜県指定重要文化財
・ 加藤光正の遺品−江戸時代初期−高山市指定文化財
・ 加藤光正墓−江戸時代初期−五輪塔−高山市指定史跡
・ 加藤歩簫墓−江戸時代初期−岐阜県指定史跡
・ 法華寺番神堂−19世紀前半−高山市指定文化財
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法華寺:上空画像
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