素玄寺(高山市)概要: 高隆山素玄寺は岐阜県高山市天性寺町(東山景観保存地区)に境内を構えている曹洞宗の寺院です。素玄寺の創建は慶長13年(1608)、高山藩(藩庁:高山城)初代藩主金森長近が京都伏見で死去し、その菩提を弔う為、2代藩主金森可重が慶長14年(1609)に格翁門越和尚を招き開山(形式的な開山者は天翁秀梅)したのが始まりと伝えられています。寺号の由来は長近の法号「金竜院殿前兵部尚書法印要仲素玄大居士」から素玄寺と号するようになりました。延宝7年(1679)には4代藩主金森頼直の懇願により5世清懶徽猷和尚が慈雲寺を再興しています。
境内にある松倉観音堂の創建は慈覚大師円仁が唐(中国)から帰国中に暴風雨に遭遇し観音菩薩に命を助けられた事から、帰国後に馬頭観音像を自ら彫り込み比叡山に安置したのが始まりと伝えられています。
その後、佐々木四郎高綱が譲り受け、その後裔である三木自綱が持仏として信仰、さらに松倉山の岩屋に観音堂を設け安置しました。江戸時代に入ると高山藩主金森家から帰依され江戸時代後期に素玄寺境内に遷されました。
素玄寺の寺宝には金森長近縁のものが多く鶴毛陣羽織、軍扇、釆配、長近公肖像(安政3年:1856年奉納)、鎧通(銘吉久)等が伝わり高山市指定文化財に指定されています。
又、本堂は寛永12年(1635)に高山城の評定場を移築したものと伝えられているもので入母屋、銅板葺、桁行22.8m、梁間15.1m、廃城となった数少ない高山城の遺構として貴重とされ昭和49年(1974)に高山市指定文化財に指定されています。
背後にある池泉鑑賞式庭園は江戸時代初期に作庭したもので山あいをうまく利用した名園として貴重な事から平成15年(2003)高山市指定名勝に指定されています。
飛騨三十三観音霊場第4番札所(札所本尊:馬頭観世音菩薩:松倉観音・御詠歌:深山路や 檜原松原 わけ行けば 素玄の寺に 駒ぞいさめる)。山号:高隆山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
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素玄寺:上空画像
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