阿多由太神社(高山市)概要: 阿多由太神社は岐阜県高山市国府町木曽垣内に鎮座している神社です。阿多由太神社の創建は不詳ですが日本三代実録に貞観9年(867)に従五位上に列した事が記載されていた古社で、延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社(飛騨国8座)とされています。その後、木曽垣内・三日町・半田の一部の産土神、総社として信仰されるようになり阿多由太神社である事が忘れられ神仏習合後は「権現宮」と称していましたが、文化年間(1804〜1817年)の調査により一時、荒城神社に比定されました。
すると、同じく荒城神社に比定された河伯大明神の氏子から反発され再度の調査で阿多由太神社に比定されました。阿多由太神社は古くから神仏習合していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て昭和3年(1928)に郷社に列し、同年、神饌幣帛料供進社に指定されています。
現在の阿多由太神社本殿は室町時代初期(南北朝時代)に建立されたと推定されるもので三間社流見世棚造、こけら葺、組物や彫刻、工法など当時の神社本殿建築の特徴を伝える貴重なものとして昭和36年(1961)に国指定重要文化財に指定されています。
往時、阿多由太神社本殿の両側の棚に安置されていた随身像は平安時代末期に制作されたと推定される古像で像高左:83.3cm、右:74.8cm、昭和45年(1970)に岐阜県指定重要文化財に指定されています。祭神:大歳御祖神、大物主神。配祀:家津御子神、早玉之男神、熊野久須美命、阿須波之神。合祀:大己貴命、崇徳天皇。
阿多由太神社の文化財
・ 阿多由太神社本殿−室町時代初期−国指定重要文化財
・ 木造随神像(1対)−平安時代−岐阜県指定重要文化財
・ 本地佛(3体)−平安時代−高山市指定文化財
・ 阿多由太神社稲荷社殿−江戸時代−高山市指定文化財
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阿多由太神社:上空画像
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